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【アピール内容が思い浮かばない就活生へ!】『新卒採用基準』


新卒採用基準: 面接官はここを見ている

3分で分かる『新卒採用基準』

企業の新卒採用では従来のように「志望動機」や「頑張った経験」などの定型的な質問を聞く「一般面接」から、学生が何を考えてどのように行動するのか、その行動特性に再現性があるのかを評価する「コンピテンシー面接」が増えています。

コンピテンシー面接で内定を取るためには、「独自の工夫を加えた行動」や「状況を変化・打破させようとした行動」が取れていたことを面接官に認めてもらう必要があります。

そのためには「高い目標を自ら設定し、目標に向かってPDCAサイクルを回しながら行動を取ったこと」をアピールしなくてはいけません。


企業は学生のコンピテンシー(行動特性)を評価していますが、その評価基準は「人間性」「仕事力」「表現力」の3つに分けられます。

「人間性」は、自己肯定感(自分を肯定し、大切に思える感情)と他者軽視感(他人を軽視する感情)の2つの要素で決まります。企業から最も歓迎されるのは、自分に対して自信を持っていて、かつ他者の価値も尊重する「自尊型」タイプの学生です。また、自己肯定感を高めるためには、集団で力を合わせて何かに取り組む経験をする必要があります。

「仕事力」は、「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの能力に分けられます。また、それぞれの「力」を発揮するために必要な能力の要素が、合計12個挙げられます。主体性、働きかけ力、実行力、課題発見力、計画力、創造力、発信力、傾聴力、柔軟性、状況把握力、規律性、ストレスコントロール力という12個の能力が、ビジネスに必要な「社会人基礎力」を構成しています。

「人間性」と「仕事力」があなたに備わっていることを面接官に伝えるために必要になってくるのが、「表現力」です。エントリーシートや面接では、プレップ法とスター法という2つの基本的な構造を知り、その上で文章の作成に取りかかると、相手に伝わりやすくなります(プレップ法とスター法の詳細は下記の抜粋を参照)。


まとめると、
・内定を取るためには、ビジネスで活きる自分の「コンピテンシー」を面接官に伝える必要がある
・そのためには、「人間性」と「仕事力」を選考を通じてアピールしなくてはいけない
・自分の人間性と仕事力を伝えるためには、「表現力」や「就活スキル」を高めなくてはいけない
ということが書かれているのが「新卒採用基準」です。

アマゾンの内容紹介

企業の「視点」パーフェクトガイド。あらゆる企業が注目する「5つの基準」を網羅。その他、企業が加点的に見るポイントを解説。ちなみに、「学歴」は大した問題ではない。この1冊で、「やるべきこと」がすべてわかる。


『新卒採用基準』の主なポイント(抜粋)

序章 3つの誤解

「企業が求めるもの」の誤解

装飾したい文字企業は学生に対し、「主体性」「粘り強さ」「コミュニケーション力」といった能力が不足していると感じています。これらの能力に関して、学生自身はあまり不足しているとは感じていないようで、企業と学生の間には大きなギャップが存在しています。

一方、学生は、自分自身について「語学力」「業界に関する専門知識」「簿記」といった、「知識」が不足していると考えています。しかし、学生が不足していると考えている3つの項目は、まったくと言い切っていいほど、企業の人事担当者は今の学生に不足しているとは考えていません。

※出所:経済産業省が2009年に実施した「大学生の『社会人観の把握』と『社会人基礎力』の認知度向上実証に関する調査」

同じ調査の中に、「既に身につけていると思う能力要素」について調べた結果も載っています。

学生自身は、「チームワーク力」「粘り強さ」といった能力を既に身に付けていると考えているものの、企業はまだまだ十分に身に付いていないと考えていることが分かります。

このように採用する企業と応募する学生の間には、重要と考える能力のミスマッチと、それぞれの能力をどの程度身に付けるべきかの、求めるレベルの2重のミスマッチが存在しているのです。

キャリアについての誤解

「キャリア」について考えるとは、どういうことでしょうか?

そのエッセンスは、「キャリアデザインの3つの軸」で表されます。

3つの軸とは、「やりたいこと」「やれること」そして「やるべきこと」からなります。自分の「やりたいこと」を明確にし、それをやるために「やれること」の力をつけ、同時に周りから期待されている「やるべきこと」を果たしていくというのが、キャリアを考える際に大切だとされています。

就活を考えている学生に3つの軸の話をし、「現状はどうですか?」と聞くと、ほとんどの人が就活での「やるべきこと」に関心が偏っています。就活スキルをアップさせることのみに目を奪われていて、肝心の企業に入社して「やりたいこと」が決まっている人はほとんどいません。

一方、会社が一番求めている「やれる力」を意識して高める大切さを理解している人もほとんどいないのですが、これに関しては大きな問題だと感じています。なぜなら、企業が新卒採用で学生を見る際に、一番気にしているのがそれぞれの学生の「やれることの軸」だからです。

「3つの軸」を大きく育てる

3つの軸で大切なことは、3つの軸そのものをどんどん大きくしていくことです。3つの軸を大きくするには、2つの方向からのアプローチがあります。1つは、「やりたいこと」主導のアプローチ、もう1つが「やるべきこと」主導のアプローチです。

「やりたいこと」主導のアプローチは、まず、「やりたいこと」を明確にして、それをやるためにはどんな力を身に付ける必要があるかを明確化し、またその力を身に付けるためには、どんなことを「やるべき」かを追求します。

しかし実際には、やりたいことが見つからないため、キャリアについて考えることを途中でやめてしま宇人は想像以上に多いのです。

そこで有効になるのが後者の「やるべきこと」主導のアプローチです。「夢中になってやるべき事に取り組んでいたら、いつの間にか新しいことができるようになり、その結果、やりたいことが見えてきた」という経験は誰もがお持ちかと思います。

目の前に課された周りからの期待やテーマに、一生懸命取り組むことにより、知らず知らずのうちに自分の力がついてくる、このように行動した結果、自分が意外にレベルアップしているのにふと気づいたりする。そうすると、新たにやりたいことが見えてきたり、開けてきたりするのです。

面接についての誤解:面接には2つの種類がある

企業の採用面接で行われている面接には、「一般面接」と「コンピテンシー面接」の2種類があり、評価の対象や質問内容などが全く異なっています。

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一般面接では、面接評定表を手に面接官が候補者を評価していきます。面接評定表は、人事部が候補者に求める評価項目を決め、その項目の優先度をウエイト付けして完成させます。評価項目は、企業によっても異なりますが、「第一印象」「コミュニケーション力」「行動力」などが一般的に採用されているようです。この面接評定表に基づき、面接官は候補者に評価項目に関係した質問をし、その答えによってそれぞれの項目の評価点を決めます。

コンピテンシー面接では、「成果を生み出す行動特性」を評価することを目的としてるので、一般面接とは異なり、第一印象や志望動機は評価項目に含まれていません。また、コミュニケーション力や行動力などの「○○力」といった言葉を使った評価項目も存在しません。なぜなら、コンピテンシー面接では行動力はスピードや粘り強さといった具体的な行動内容として評価するからです。

コンピテンシー面接の評価方法

一般面接では、あらかじめ設定した評価基準すべてに点数をつけ、総合得点の高さで合否を判定しますが、コンピテンシー面接では、総合得点の高さを評価しているわけではありません。

コンピテンシー面接では、各候補者の行動を次の5段階に評価をします。

・レベル1:「一つ一つの行動を誰かに言われてやった」「やらざるを得ない状況に追い込まれたからやった」という、主体性のない他律的、場当たり的な行動。

・レベル2:定められたマニュアルや作業手順を意識して能動的に行動しているけれど、この状況であれば普通はそのようにするのが当然だと考えられる行動。

・レベル3:ある状況において、複数の選択肢の中から最適と考えられる方法を選択して取った行動。外的基準を守りながらも、自分なりに新しい工夫を主体的に行ったか否かが問われる。

・レベル4:条件や状況に即した行動から一歩踏み出し、それに働きかけ変革する行動。PDCAサイクルをセルフマネジメント・サイクルとして回して初めて、可能になる行動のことを示す。

・レベル5:これまでの状況をひっくり返し、皆がこちらに寄ってくるような「マグネット」的な行動。目の前の状況を離れて、それとは全く異なる状況を作り出すことが問われる。

ちなみに、レベル5の判定を受ける学生は1,000人中1人と言われています。人気上位の200社に入社するためには、コンピテンシーレベル4の行動が取れていることを、面接の場で面接官に認めさせることが必要となります。

第1章 新卒採用基準1:人間性

企業にウケのいい人柄といえば、「自信があり、明るく元気で素直で、人に好かれる」などが考えられますが、今現在そうでない人に、いくら「自信を持ちなさい」「明るくなりなさい」「元気になりなさい」「素直になりなさい」「人に好かれるようになりなさい」と言っても、誰もがそうなれるわけではありません。

企業が採用の際に重視してる「自信」「素直さ」「人に好かれる」という素養を身に付けるための糸口は、これから紹介する「自己肯定感」と「他者軽視感」です。

自己肯定感

自己肯定感とは、「自分を肯定し、大切に思える感情」です。「自信」にも近いのですが、優越感やプライドのように他者との比較で成り立つ感情とは違っています。

一般的に企業は「自信のある人」を採用したいと考え、「自信のない人」はそれだけで採用することに躊躇する傾向にあります。このように、自信のありなしによって、同じような能力の人でも企業の評価が変わってしまうのです。そして、この自信の有無を決定しているのが「自己肯定感」です。

他者軽視感

「他者軽視感」というのは、読んで字のごとく、他人を軽視する感情です。先ほどの「自己肯定感」とは逆に、「他者軽視感」は排除しておかないと就活の妨げになるので、注意が必要です。

「人間性」の4タイプ

人は以下の4タイプに分けられます。

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日本では、「萎縮型」に分類される割合が34.1%と最も高く、実に3人に1人を超えています。また、「仮想型」学生も3人に1人の割合です。合わせると、自己肯定感の低い学生は、3人に2人となり、他国の学生に比べて日本の学生には「自信がない人」が多いです。

4つのタイプのうち、企業からもっとも敬遠されるのは、「仮想型」のタイプの学生です。どの企業も他人を軽視し、人と協力してうまく仕事ができない人や、他律的動機づけの人とは、一緒に仕事をしたくないからです。一方、企業から歓迎されるのは、「自尊型」の人材であることに、疑問を挟む余地はありません。

自己肯定感を高めるためには、集団で力を合わせて、何かに取り組むことが必要であり、また「緊密なコミュニケーション」のとれる環境の中に身を置くことが大切で、皆で意見をぶつけ合って喜んだり悲しんだりして、お互いの「熱き心」にふれあうことが大切です。

第2章 新卒採用基準2:仕事力

「仕事」とは何か

仕事とは目標達成を目指してPlan(計画)、Do(実行)、Check(検証)、Action(対策)のサイクルを回すことです。

仕事をする上で欠かせない「目標」と「目的」

学生時代に低い目標設定をしてきた学生は、会社に入ってからも同じように低い目標を設定しがちだと受け止められます。逆に、自らに高い目標を課して学生生活を送った人は、会社に入っても目標を高く設定し、その目標を達成するために物事を考えて行動するだろうと受け止められます。

そのため企業は、学生時代に高い目標を持って何かに取り組んだ経験を持つ人を採用し、低い目標設定しかしなかった学生を採用したがらないのです。

というわけで、就職活動を有利に進めるために学生時代にやっておかなくてはいけないことは、自ら高い目標を設定し、その達成に向かって努力することなのです。

「社会人基礎力」こそ仕事力の根幹

仕事をする力は、企業が候補者の合格・不合格を決める際の判定基準となる大事な力です。では、どんな力が会社で仕事をする上で必要となるのか?

2006年2月に、経産省が産学の有識者による委員会を設け、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」としてまとめ上げたのが、「社会人基礎力」です。

「社会人基礎力」は、「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの能力に分けられます。また、それぞれの「力」を発揮するために必要な能力の要素が、合計12個挙げられます。

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主体性=物事に進んで取り組む力

主体性とは、「目的」「課題」「難易度」を意識し、「目標を自ら設定し、PDCAサイクルを自主的に回す」ことで発揮される能力であると捉えてください。

発揮できた例・学校生活の中で難易度の高い目標を設定して、PDCAサイクルを自主的に回した
・就職活動においても、PDCAサイクルを自主的に回している

よくある誤解・授業では、わからないことを積極的に教授に質問した。自分でわからないところを調べた
・サークルでは、積極的に様々なイベントに参加した

働きかけ力=他人に働きかけ巻き込む力

他人に何かを頼んだり、勧誘すること、また、リーダーシップを発揮することや交渉したり、協力・提携をもちかけることです。

発揮できた例・会議やミーティングの席上で、周囲のメンバーに同意や協力を取り付けた
・チームや集団の中で、自分のビジョンや方向性を語り、同意や協力を取り付けた

よくある誤解・組織の代表としてチームや組織をまとめ上げた
・渉外係として、他のチームと協力した

実行力=目的を設定し確実に行動する力

実行力で大切なことは、「粘り強さ」です。粘り強さには、能力に加えて、「必ず実現しよう」という意志も含まれていることが大切なポイントです。

発揮できた例・目標を達成するまで、困難な局面に遭遇してもあきらめずに取り組み続けて、成果を上げた
・スピード感を持って物事に取り組み、成果を上げた

よくある誤解・9年間野球をやっている
・7種類のアルバイトを掛け持ちしている

課題発見力=現状を分析し目的や課題を明らかにする力

問題解決プロセスは、どのような問題でも、現状を理解、分析して、その中から問題点を発見し、その問題を生じさせている課題を検討します。現状で起きている問題の、真の原因を突き止める力が課題発見力です。

発揮できた例・現状を正しく認識するための情報収集や分析をして、資料をまとめ上げた
・現状を形成している要因を複数の要素を検討して、ロジックツリーを作成した

よくある誤解・アルバイトの中で、目に止まった問題点を指摘した
・サークル活動の中で、問題となっていることを皆と共有した

計画力=課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力

目標をブレイクダウンして、実行する際の優先順位をつけたり、実行のためにやるべきことや手順を明確化する段取りの能力とも言えます。また、あらかじめ、何が起きるかを想定して、その対処法を考えることも計画力に含まれます。

発揮できた例・行動や作業のプロセスを明らかにして優先順位をつけ、実現性の高い計画を立案した
・あらかじめ不測の状況を想定して、複数の計画を検討し立案した

創造力=新しい価値を生み出す力

創造力とは、実はゼロから何かを作り出すというよりも、既存のものを組み合わせたり、変更・修正して新たなものを作り出す力のことを指しています。

発揮できた例・複数のもの(もの、考え方、技術)を組み合わせて、新しいものを作り出した
・従来の常識や発想を転換し、新しいものや解決策を作り出した

発信力=自分の意見を分かりやすく伝える力

チームで働く場合に問われる力として、聞き手の意向を汲み取りながら、自分の意見や意思を説得力を持って伝えることができる能力です。たくさんしゃべることと発信力は必ずしもイコールではありません。

発揮できた例・聞き手がどのような情報を求めているかを理解して伝え、相手に受け入れてもらえた

よくある誤解・喋ることが好きで、よく人とおしゃべりするので、発信力には自信がある

傾聴力=相手の意見を丁寧に聞く力

相手としっかりコミュニケーションをとるためには、発信する前に、まず相手の気持ちや論旨をきちんと理解する必要があります。チームの中で働く能力としての傾聴力は、相手が言いたいことを引き出したり、相手の言いたいことを整理し、その人やチームの力になれるかどうかも含まれます。

発揮できた例・あいづちやうなずきにより、相手が話しやすい状況や雰囲気を作った
・相手の話を掘り下げて聞くことにより、相手に気付いてもらうことができた

よくある誤解・人の話を聞いてばかりいるから、傾聴力は高い方だ
・人に話すよりは、聞く方が好きだ

柔軟性=意見の違いや立場の違いを理解する力

価値観や方向性、事実や物事に対する解釈の異なった人の意見を尊重して受け入れ、適切な対応を取れる力が柔軟性です。予期せぬ出来事や状況への対応力もこの柔軟性に含まれます。柔軟性は傾聴力と同じで極めて積極的な概念なので、人に従っているだけでは柔軟性が高いとは言えません。

発揮できた例・自分の意見を持ちながらも、他人の良い意見を共感と持って受け入れた
・立場、価値観の異なる相手の背景や事情を理解し、適切な対応を取った

よくある誤解・チームや組織の方向性に、自分を合わせることができる

状況把握力=自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力

状況把握力は、人間関係の中で、周りの情況を読み取り、対応していく力です。あくまでも観察した結果、その対応策として「的確な行動」をとることです。

発揮できた例・期待されている役割を果たすだけでなく、チームが成果を上げる状況を作り出した
・自分がすること、人に任せることを的確に判断し、シナジー効果を発揮した

よくある誤解・周りの空気を読むことが得意だ
・ミーティングの席上では、客観的に人の意見を聞くようにしている

規律性=社会のルールや人との約束を守る力

「ルールや約束、規律を理解し、守ることができる」だけでなく、チームの中で、ルールがあいまいな時にでもチームを正しい方向にリードできる力も含まれます。

発揮できた例・相手に迷惑をかけたり、相手に不快な気持ちを抱かせていない
・ルールが曖昧な時にでも、チームが正しい方向に向かうように促した

よくある誤解・マナーを重視した行動を心がけている
・自分は人との約束を守っている

ストレスコントロール力=ストレスの発生源に対応する力

「ストレスは発散するものだ」としか捉えていない人が多いようですが、ストレスへの対処法はそれだけにとどまりません。ストレスコントロールとは、ストレスの発生源に働きかけてストレスの原因を積極的に取り除くことや、ストレスに対する自分の解釈を変えることにより、ストレスをコントロールすることも含まれます。

発揮できた例・ストレスの原因を見つけて、自力、または他人の力を借りて取り除いた
・ストレスを感じることは当然のことと考え、重く受け止めすぎないようにした

よくある誤解・ストレスの発散は得意だ
・ストレスがかからないような生活をしている

第3章 新卒採用基準3:表現力

同じことを伝えるにしても、それが相手に伝わりやすくなる表現技法について紹介します。この方法は、エントリーシート、グループディスカッション、面接のすべての場面で有効な技術です。

エントリーシートをまとめる際には、まずは、「基本的な構造」を自分のものとして押さえ、その上で文章の作成に取りかかると、相手に伝わりやすくなります。

プレップ法

プレップ法とは論理的にわかりやすく伝えるための、伝え方の構造です。「PREP」とは、Point、Reason、Example、Pointの頭文字をとったものです。

・Point:主張の「要点」や「結論」を最初に述べます。すべてを述べるのではなく、端的に要点や結論だけ伝えることが重要です。

・Reason:最初に伝えたことの「理由」を述べます。

・Example:具体例やデータを挙げ、論理に説得力を持たせます。これまでやや抽象的であった内容に「具体性」を持たせ、説得力を高める役割を担っています。

・Point:最後に、最初に伝えた「要点」や「結論」を再び伝え、その内容を相手の頭に強く印象づけます。

スター法

スター法とはSituation、Target & Task、Action、Resultの頭文字を取ったもので、この順番で論旨を展開する方法です。

・Situation:最初に概要や状況を述べます。具体的なシーンを述べることが大切です。

・Target & Task:自分が解決しようと思った課題や、取り組もうと思った目標について述べます。

・Action:具体的にその課題解決や目標達成のためにとった行動を述べます。行動は、チームで取り組んだことや、相手に対して働きかけたことが望ましいです。

・Result:その結果、どういう成果を生み出したのか、それは、今までとはどう違うのかを伝えます。また、その結果としての自分の学びや成長を伝えます。

第4章 新採用基準4:就活スキル

志望業界の選び方

志望業界の選び方について、私が実際に学生にアドバイスしている方法を紹介します。

まず、「肯定的」なアプローチと「否定的」なアプローチの2つの方法で業界を分けます。

肯定的アプローチとは、「好きな商品やサービス」「関わりたい人」「やりたい仕事の方法」から業界を絞っていくやり方です。

反対に、否定的アプローチでは、「興味の持てない商品やサービス」や「関わりたくない人」「やりたくない仕事」の観点から行きたくない業界を絞り、自分の候補業界から省いていきます。

企業を見るフレーム

企業を選定する時に大切なことは、3Cフレームで企業を見ることです。3Cとは、Customer(顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)の頭文字のCompetitorです。

企業は「顧客」に対して商品やサービスを提供する一方で、「競合他社」と競い合いながら事業を行っています。同一業界では原則として「顧客」も同じです。また、顧客に提供する「商品やサービス」も大きく異なります。

志望企業の選び方

「業界地図」を購入し、その中でまず、業界をマクロの視点で俯瞰することをすすめています。業界を選んだ後に、業界内での個別企業の直近の売上(影響力)を見て、自分の価値観と照らし合わせてフィットする企業名をリストアップしましょう。

その上でナビサイトを見て、選定した企業が掲載されていればそこにプレエントリーし、もし、掲載されていなければ個別企業のHPで新卒採用の有無を調べ、そちらのHPからエントリーします。

何社にプレエントリーすればいいのか

自分の管理できる50~60社程度でいいと私は思います。

会社説明会に行く目的

会社説明会に行く際には、必ず目的と目標を意識してください。ただなんとなく会社説明会に参加しても、大きな成果は得られません。

第一の目的は、自分が実際に応募したい会社かどうかを見極めることです。応募したいと思った場合には、選考の際に問われる志望理由を書くための情報を収集することが次の目的になります。

会社説明会に行く目標

次に、会社説明会参加の目標です。目標は2つ。

1つ目は、「質問する」ことです。達成するためには、事前に会社を良く研究して、聞きたいことを書き出しておくことと、当時t、勇気を出して手を上げること。

2つ目は、自分より優秀と思える友達を1人以上、作ってくることです。就活は一種のオーディションですから、自分が応募者の中でどんなレベルにいるかを知ることが大事です。また、就活では活きた情報が大切ですから、その意味でも友達を増やしておくと、活発に情報交換ができ、後々役に立ちます。

OB・OG訪問

OB・OG訪問の目的や目標も、会社説明会とほとんど同じです。しかし、元々面識のある先輩を訪ねる場合と、人事部が紹介するOB・OGを訪ねる場合は、まるで違うので注意が必要です。

面識のあるOB・OG訪問を訪ねる場合には、公式の場では聞きにくいことを遠慮無く聞くのがおすすめです。人事部から紹介されたOB・OGを訪ねる場合、表向き会社の紹介が先方の目的ですが、実のところリクルーター機能を担ってると考えておいた方が良いでしょう。

グループディスカッションにおける価値発揮の方法

企業側がグループディスカッションを課す理由は、面接だけでは分からない、集団の中での発言と行動を見て、対象学生の評価を決めることです。

以下では、3つの価値発揮の切り口について解説します。

1.議論の方向性をリードする
グループディスカッションで高評価をもらうために一番良いのは、最初に議論の方向性をリードすることです。そのためには、議論すべきテーマについて、深く考えることが重要です。

2.議論の交通整理をする
実際に議論が始まった後は、議論の交通整理で価値を発揮してください。具体的には、それまでの議論の推移に耳を傾け、今まで皆が話したことと、まだ議論されていないことを一旦まとめることです。

3.他者に質問する
他者に質問することで、価値を発揮することもできます。たとえば、自分の持論を一方的に展開する人がいた場合には、その人の発言を止めることが大切です。また、議論を深める必要のある場合にも、積極的に「○○の点に関しては、××さんはどう考えますか?」と意見を求めることが大切です。

面接官はグループディスカッションでどこを見ているのか

グループディスカッションでは、面接官は「思考力」と「対人力」の両方を見ています。今説明したのは「思考力」に関してでしたので、次に「対人力」の発揮の方法について説明します。

対人力で大切なのは、まずはVisual(ビジュアル)です。つまり、姿勢と顔と目と手です。またVocal(声)。つまり、呼吸法や発声法、声の表現も表現力の大切な要素です。

グループディスカッションでは、発言内容だけではなく、表現力も問われていることを覚えておいてください。

コンピテンシー面接

コンピテンシー面接というのは、一言で言うと面接を受けている人が「どういう状況で」「何を課題だと考え」「解決に向けて何をし」「結果どうなったか」ということを聞いて、その際に適切な判断を下せていたか、または解決に向けてPDCAサイクルを正しく回し、コンピテンシーレベル4の行動が取れていたかを評価するものです。

一般面接

一般面接に合格するために必要な準備をまとめておきます。

1.丹念に業界研究、企業研究を行う
会社説明会に参加したり、OB・OGからの情報収集活動を行う。それらの情報を元に、なぜその業界や会社に入りたいのか、志望理由を明確にすることです。入社後にやりたい仕事や夢、キャリアのイメージを固めておくことも重要です。

2.常日頃から、広くアンテナを張り、社会と共に生きること
日頃から人間性を高める生活を送ることも重要です。一般面接では社会性や人間性が問われます。

3.場数を踏むこと
頭の中でできると思っていることと、実際にできることとの間には、大きな違いがあります。面接で高い評価を受けるためには、トレーニングを重ねることが大切です。

『新卒採用基準』の内定確率は?

内定確率 75%

一般面接であってもコンピテンシー面接であってもアピールすべき内容はあまり変わらないんだと思います。

「自分が会社で活躍できること」を面接官に理解してもらえれば内定をもらえるので、そのために「一緒に働きたいと思える人間性」や「利益に貢献できる仕事力」を伝えるのが学生側から見た就職活動です。

そういう意味で、「王道な就活方法」が書かれている良書だと思います。

しかし一方で、
・どうやって人間性をアピールすればいいのかがよく分からない
・この本を読むとアピール内容を「社会人基礎力」の中から選ぼうとしてしまう
・就活スキル(志望企業の選び方やESの書き方)についてはあまり書かれていない
というのがが減点の理由です。

とはいえ、「社会人基礎力」という具体的な能力の要素をわかりやすく解説してくれているので、「何をアピールすればいいか分からない」と悩んでいる就活生にとっては参考になると思います。


※内定確率とは、この本に書かれていることを素直に実行した場合の就活の成功率です。この本を読んでみて、独断と偏見に基づいた点数です。

「アピール内容が思い浮かばない」という方に!

新卒採用基準: 面接官はここを見ている