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コンサル志望の学生は『採用基準』を絶対読むべき


採用基準


就活本というよりは、これからの時代にグローバルで活躍するためにはどんな資質が求められるのか、について書かれている本です。

著者の伊賀氏はマッキンゼーに長年勤めていた人なので、視点はかなりコンサルに偏っています。

本書の随所では「マッキンゼーがどんな人材を求めているのか」という点に触れられています。コンサル志望の学生にとっては必読の本でしょう。

コンサル以外の就活生にとっては、今の日本企業で求められている人材についてと、その資質を身につけるための方法論について学ぶことができます。

3分で分かる『採用基準』

今、コンサルで求められている人材

まず、コンサル(マッキンゼー)ではどんな人を採用したいのか、という点について書かれています。

その内容を要約すると、「コンサルでは地頭が良い人よりも、考えることが好きで、徹底的に考え抜くことができる人を求めている。必ずしも何でもできる優等生タイプになる必要はなく、それよりも何か一つの能力に特化した人のほうが評価される」というものです。

考え抜くことが好きなエッジのきいた人材で、将来的にグローバルでリーダーシップを発揮できる可能性がある人を採用したいと考えています。

リーダーシップを発揮するための4つのタスク

リーダーは何よりも成果を出すことが求められますが、そのためにすべきことは、(1)目標を掲げる、(2)先頭を走る、(3)決める、(4)伝える、という4つのタスクです。

目標を掲げてチームに道を示し、その目標に向かって先頭を走ることでチーム全体を引っ張ります。そして、決断力と、チームに自分の考えを理解してもらうコミュニケーション能力も必要です。

リーダーシップを身につけるにはどうすればいいか?

そんなリーダーシップを身につけるためには、常に当事者意識を持ち、「自分だったらどうすか」を考えます(ポジションをとる)。全ての作業において付加価値(バリュー)を出すこと意識して、自分の作業の生産性を上げます。そしてリーダーシップを発揮するのは、リーダーという立場になってからではなく、今すぐにリーダーシップを意識した行動をとり始める必要があります。

そんなグローバル人材になることができれば、あなたは自分が解決できる問題の範囲が広がり、自分の人生を自らハンドルを握って操縦できるようになるでしょう。そうするとキャリアに対する意識が変わり、自分の世界が大きく広がります。

アマゾンの内容紹介

マッキンゼーと言えば、ずば抜けて優秀な学生の就職先として思い浮かぶだろう。
そこでは学歴のみならず、地頭のよさが問われると思われがちで、応募する学生は論理的思考やフェルミ推定など学んで試験に挑もうとする。
しかしマッキンゼーの人事採用マネジャーを10年以上務めた著者は、このような見方に対して勘違いだという。
実はマッキンゼーが求める人材は、いまの日本が必要としている人材とまったく同じなのだ。
本書では、延べ数千人の学生と面接してきた著者が、本当に優秀な人材の条件を説くとともに、日本社会にいまこそ必要な人材像を明らかにする。


『採用基準』の主なポイント(抜粋)

誤解される採用基準

誤解その1:ケース面接に関する誤解

なによりも面接担当者が知りたいのは、「その候補者がどれほど考えることが好きか」、そして「そんな考え方をする人なのか」という点です。

ところが候補者の中には、さまざまなケース問題の解き方を一生懸命覚えてきて、面接担当者がケースの問いを発するやいなや、頭の中に蓄えた知識から、その問題の解法を取り出そうとする人がいます。

入社している人がことごとく、「ケース対策をほとんどしなかった」と言っている背景にはこういった事情があります。彼らは面接の時間内に必死に考え、きれいな回答にはたどり着かなかったけれど、自分なりの思考プロセスを面接者の前であれこれと試してみたのです。そしてその思考プロセスに適性を認められたからこそ、入社という結果につながったのです。

誤解その2:「地頭信仰」が招く誤解

たしかに地頭は悪いよりはよいほうがいいでしょう。しかし地頭信仰の最大の不毛さは、「頭さえよければコンサルティングファームに入ることができる」という誤解を生んでしまっていることです。

一般的にイメージされる「思考力の高い人」とは、思考スキルの高い人でしょう。しかし、コンサルタントに向いているのは「半端でないレベルまで考え尽くすことができる人」です。

思考力の高い人とは、考えることが好きで(=思考意欲が高く)、かつ、粘り強く考え続ける思考体力があるため、結果として「いくらでも考え続けることができる人」のことを言うのです。

誤解その3:分析が得意な人を求めているという誤解

「頭のよさ」を構成する要素として、日本では多くの人が、数学の処理能力が高いこと、理解力が高いこと、物事の本質を見極める洞察録が鋭いことなどをイメージします。実はこれらの要素はすべて、「現状把握や分析をするための能力」です。

しかし、コンサルタントが問題を解決するためには、「では、どうすればよいのか」という、処方箋を書く後半部分が必要です。そのためには、深く掘り下げるという現状分析作業とは反対方向の思考である、「今は存在しない世界」をゼロからイメージして組み上げていく思考が求められます。

問題の指摘や問題が起こるメカニズムの現状把握に加え、「あるべき姿の掲示」や「新しい仕組みの設計」を行う能力が求められているのです。

誤解その4:優等生を求めているという誤解

日本社会は平均的にレベルが高いことを重視します。優等生とは、数的処理能力もコミュニケーション能力も洞察力も文章力も全部一定レベル以上の、バランス型の人材のことです。実はマッキンゼーでは、バランスが崩れていてもよいので、何かの点において突出して高い能力をもっている人が高く評価されます。

採用したいのは将来のリーダー

問題解決に不可欠なリーダーシップ

マッキンゼーが求めている人材をひとことで表現すれば、それは「将来、グローバルリーダーとして活躍できる人」と言うべきでしょう。

どんな場合でも、他者を巻き込んで現状を変えていこうと思えば、必ずリーダーシップが必要になります。自分の言動を変えるのは自分一人でできるけれど、自分以外の人の言動は、リーダーシップなくしては変えられないのです。

リーダーシップは全員に必要

日本人の多くは、「リーダーは、ひとつの組織に一人か二人いればいいもの」と考えています。

私の答えは極めてシンプルです。全員がリーダーシップをもつ組織は、一部の人だけがリーダーシップをもつ組織より、圧倒的に高い成果を出しやすいのです。

「自分はこのチームのリーダーではない。一メンバーとして価値ある成果を出す必要はあるが、それをまとめ上げるのは、リーダーの仕事である」と考えているメンバーで構成されるチームと、「自分もまたこのチームのリーダーである。個別メンバとして成果を出すことはもちろん、チーム全体の意見をまとめ上げ、チームとしての結束力を高めることもまた、自分の責務である」と感じているチームを比べてみてください。後者のチームのほうが、圧倒的に生産瀬が高いということが、容易に想像できるはずです。

リーダーがなすべき四つのタスク

成果を出すために、リーダーは具体的に何をする必要があるのでしょう。実は、リーダーがなすべきことは極めてシンプルで、突き詰めれば次の四つの行為に収束します。

その1:目標を掲げる

まずリーダーに求められるのは、チームが目指すべき成果目標を定義することです。そしてその目標は、メンバーを十分に鼓舞できるものである必要があります。

その2:先頭を走る

何にせよ、最初の一人となるのは負担が大きく、その立場に自らをおくと決めることは勇気のいることです。

それでも「最初の一人になる」、「先頭に立つ」ことを厭わないのがリーダーです。集団の前で何か何か新しいアイデアが披露され、「誰かこれにトライしてみたい人はいますか?」と問われた時に、周りの様子をうかがうのではなく、すっと自分の手を挙げて、「私がやりましょう」と声を上げるのがリーダーです。

先頭を走る人が、一番前で最初に方向性を決めてこそ、メンバーは安心して走ることができるのです。

その3:決める

リーダーとは「決める人」です。検討する人でも考える人でも分析する人でもありません。

リーダーとは、たとえ十分な情報が揃っていなくても、たとえ十分な検討を行う時間が足りなくても、決めるべき時に決めることができる人です。

その4:伝える

もうひとつ、リーダーの大切な仕事が、コミュニケーションです。

黙っていても伝わるとか、わかってくれているはず、は通用しません。

問題が発生した場合も、問題の原因や対処方法の選択肢、さらに、その中からなぜこの案を選んだのかという判断の根拠も、言葉で説明する必要があります。これがアカウンタビリティ(説明責任)と呼ばれるものです。

リーダーのポジションにある人は、何度も繰り返して粘り強く同じことを語り続ける必要があります。「伝わっているはず」という前提をおくのは、怠慢以外のなにものでもありません。

マッキンゼー流リーダーシップの学び方

基本動作1:バリューを出す

「バリューが出る」とは、「何らかの成果(付加価値)を生む」ということで、会議で有益な発言をすればバリューを出したことになるし、ユニークな情報が入手でき、それを分析した結果、画期的な洞察が得られれば、バリューのある分析、バリューのあるメッセージ、と呼ばれます。

ごく短い時間単位で「どんなバリューを出したのか?」と問われ続けることは、個々のコンサルタントの行動に影響を与え、仕事の生産性を向上させます。

こういった環境で働いていると、「今、自分のやっている仕事は、どのような価値を生むのか」ということを、強く意識するようになります。漠然と作業をすることがなくなり、価値を生まない無駄な作業はさっさと切り上げ、できるかぎりバリューの高い仕事に優先して取り組もうと考えるようになります。

基本動作2:ポジションをとる

もうひとつよく言われるのが、「ポジションをとれ」という言葉です。これは、「あなたの意見は何か」、「あなたが意思決定者だとしたら、どう決断するのか」という意味です。

日々「ポジションをとれ」と言われ続けると、何に関しても常に「自分の意見は何か?」と意識するようになります。たとえ自分に直接関係のない事例であっても、「もし自分だったらどうするだろう?」と当事者意識をもって考えるようになります。このように、自分自身の結論をもつ癖をつけることが、リーダーの仕事である「決断する」ことの、実地訓練となるのです。

基本動作3:自分の仕事のリーダーは自分

これは、「自分の仕事に関しては自分がリーダーであり、パートナーやマネジャーを含めた関係者をどう使って成果を最大化するのか、それを考えるのがあなたの仕事だ」という意味です。

基本動作4:ホワイトボードの前に立つ

ホワイトボードの前に立って議論のリーダーシップをとるには、会議の参加者が発する意見を全体像の中で捉え、論点を整理して議論のポイントを明確にしたり、膠着した議論を前に進めるために視点を転換したりと、さまざまなスキルが求められます。この「ホワイトボードの前に立つ」という経験を通して、新人コンサルタントはディスカッション・リーダーとしての訓練を積んでいくのです。

リーダーシップで人生のコントロールを握る

問題が解決できる

最初に人がその意義を理解するのは、「リーダーシップにより、自分が気になっていた問題が解決できる」と実感した時です。

成果が実感できる

リーダーシップ体験を積み重ねていくと、自分で解決できる問題の範囲や規模はどんどん拡大します。最初は身近なグループの問題しか解決できなかったのに、次第に部署全体、会社全体、コミュニティ全体を変えるだけの力が身につきます。継続的にリーダーしぷ体験を積むことにより、自分ができることの範囲がどんどん広がっていくという、成長の実感が得られるのです。

自分の世界観が実現できる

リーダーシップを身につけると、自分の仕事やライフスタイル、生き方のポリシーを既存の組織や団体の器に合わせるのではなく、自分自身が実現したいとかんげる世界をそのままストレートに追求できるようになります。これはリーダーシップを身につけることの最大のメリットです。

世界が広がる

さらにリーダーシップを発揮する環境がグローバルになれば、解決できる問題の範囲も一気に広がります。自分でハンドルを握り、あちこりに出かけるようになれば、今までは知りえなかった多くの世界を、体験することができるのです。

変わっていくキャリア意識

リーダーシップを身につけることで問題が解決できるようになると、他社からの感謝を受け、評価される機会も増えてきます。すると次第に、仕方なくリーダー役を引き受けるのではなく、積極的に周りの問題を解決したいという気持ちが出てきます。こういった気持ちの変化は、個人のキャリアの選択にも影響を与え始めます。

最初に起こる気持ちの変化は、「解雇されることが怖くなくなる」というものです。

自分の評価は、それぞれが自分の物差し(基準)に沿って行えばよいのであって、マッキンゼーの物差しに合っているかどうかが、自分のビジネスパーソンとしての評価を決めたりはしないと、心底から理解できるようになるのです。

なかでも大きな変化は、過去に自分が積み上げてきたものから離れて、ゼロベースでキャリアが考えられるようになるという点にあります。過去に考えたこともないような選択肢を現実的に選べるようにしてくれるのが、在職中に身につけた問題解決スキルであり、リーダーシップです。

『採用基準』の内定確率は?

内定確率 50~80%

マッキンゼーを含むコンサルタント業界を志望している学生にとってはコンサル業界の評価基準が書かれているので非常に役立つ本です。コンサル志望の学生の内定確率をぐんと上げてくれるでしょう。

普通の就活生にとっては、
(1)今の世の中ではグローバルでリーダーシップを発揮できる人材が求められている、
(2)リーダーシップにはどんな能力が必要なのか、
(3)リーダーシップを身につけるためにはどうすればいいのか、
という3点を学ぶには役に立ちます。

ここからの示唆として、面接でリーダーシップをアピールするためのヒントは得られます。

例えば、「私はリーダーシップがあります」なんて面接でアピールしても、抽象的すぎて面接官にはあなたのメッセージは伝わりません。

リーダーシップをアピールしたいのであれば、リーダーシップという能力の構成要素である、「(1)目標を掲げる、(2)先頭を走る、(3)決める、(4)伝える」の4つのどれかをアピールしたほうが、より具体的で説得力が増します。

しかし、そもそもの本のコンセプトが就活ではなく、日本におけるリーダー人材の不足に対する課題解決なので、普通の就活生にとっては内定確率は50%程度だと感じました。


コンサル志望とリーダーシップを学びたい学生は必読!

採用基準